10番目は『在宅医療の医者』の声です
- 2021年12月1日
- お知らせ
在宅医療に足を踏み入れて約1年8ヵ月。その中で感じることは、在宅医療では患者さんの病気を診るだけでなく、生活全体をみていくという視点が必要不可欠であるということです。病院で医療に携わっていたときは、病状がかなり進行した方に対してもできるだけの治療をしていこう、つまり病気を治すことを主眼に患者さんと向き合っていました。
もちろん在宅医療でも可能な限りの治療を望まれる方がいる一方、これ以上の治療はできない、あるいは自らの意思で治療しないと決めた方々もたくさんいらっしゃいます。そのような患者さんが望むことは、自宅でできるだけ苦痛、不安や心配などを感じることなく心地よく療養することだと考えます。その環境を整えることは医師の力だけでは到底困難で、介護にあたる方々や様々な関連職種の方々の尽力のもとはじめてそれが可能になると思います。そのためにも患者さん、ご家族をはじめとする介護者だけでなく、関連職種の方々といかに良好な関係を築いていくかが在宅医療を円滑に進めていく秘訣だと思いますし、そのような姿勢で日々取り組んでいるつもりです。
まだまだ在宅医療の一端しか経験しておらず、分からないことばかりですが、今後も多くの経験を積んで貢献していきたいと考えています。
蒔田勇治